映画レビュー『バクマン。』
『バクマン。』(日本、2015)
評価★★★★★
おもしろいね!
それに尽きるよ。
映画『バクマン。』は、原作のストーリーをなぞりつつも、オリジナリティのある展開になってる。
当然、20巻もある原作を、2時間の枠に収めるのは困難なので、
バクマン。 コミック 全20巻完結セット (ジャンプコミックス)
- 作者: 小畑健
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/07/18
- メディア: コミック
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映画の前半部分は、若干、展開が早いように感じた(違和感は特になかったけれど)。
さっきも書いたとおり、原作との違いは多々ある。
ヒロインの亜豆が、映画版では不思議ちゃんとしての色合いを濃くされている。
物語、というかサイコーの心理の変化において、キーパーソンになってくるんだけど、その内面性はまったく描かれていない(あえて描かないようにしてる)。
だからこそ、「おれの恋人はまんがや」という川口たろうの言葉(もともとは藤子先生の言葉らしいけれど)や、クリスマスや正月を捨ててまで漫画に打ち込むサイコーとシュージンの姿が、とてもかっこよく映る。
恋愛要素を少しでも強くしていたら、あそこまで潔い漫画の製作シーンは作れなかっただろうと思うし、『友情』、『勝利』、『努力』のテーマにも若干のズレが発生していただろう。
演出も良い。
プロジェクション・マッピングがクールにキマっている。
さらに、サカナクションの音楽も素敵だ。
4つ打ちのエレクトロニカなビートが、耳に心地いい。
主題歌の『新宝島』も、僕は基本的に、サカナクションはそこまで好きじゃないんだけど、映画の終わり、この曲がインサートされるところがすっごいかっこよかったので、この曲は、好きです。
スタッフロールの演出も実に趣向を凝らされている(みんな言っていることだけど)。
漫画好きなら、「おぉ!」と思わずうなってしまうことだろう。
この監督の映画は他に観たことがないんだけど、ミュージック・ビデオのような、音楽と映像がばっちりハマるような、そういう演出の仕方、めちゃくちゃセンスあるように感じる。
映画終わったあとの、『BAKUMAN』って文字がデデーンと出てくるところ、よかったなぁ。
それにしても作中作読んでみたいな。
『CROW』とかめっちゃおもしろそうだよね。
あれ描いたの誰なんだろう?
というかそれ以前に、『バクマン。』の原作すごく読み返したくなってきたな。
全部売っちゃったんだよね。
漫画の映画だけど、『何かをがんばる』ってことを、すごくしたくなる映画だった。
そんなこと思ってAmazon見てたら、こんなものがあった。
……僕は、絵の才能がないので(小学生の頃は 描いていた)、そしてもうイイ年なので、今更漫画なんて始めないけれど、あと10歳若かったら、きっと『バクマン。』観て漫画描いてただろうなぁ。
そういうことを思わせてくれる映画なんです。