音楽レビュー:Grimes "Art Angels"
Grimes "Art Angels"
評価:★★★★★
むっちゃかっこええ……。
Grimesはライブにも行ったことがあって、今かなりお気に入りの女性ソロミュージシャン。まぁ、もう結構名前も売れてきているし、改めて紹介する必要はなさそうだけど……。
簡単に紹介すると、基本的には打ち込み(GarageBand)の、エレクトロニカとかシンセポップとかに、エクスペリメンタルでアヴァンギャルドな風味をちょっと付け足した感じ。
すごいキュートな声だし、本人の見た目もエキセントリックだけどかわいいし、何よりメロディがポップだから、日本でもすげーウケる、っていうかウケている。
特に前作"Visions"に収録されている"Oblivion"は、PitchforkのThe Top 100 Tracks of 2012で一位に輝いている。
僕もこの曲がGrimesの中で一番好きで、もう聴きまくっていた……のだけど、今年、新曲の"REALiti"が発表されてからは、そちらが個人的一位になり、ヘビーローテーションしていて、新しいアルバムへの期待度もかなり高まっていたわけだ。
個人的には、1:12のなんかカンフーっぽい動きしてるGrimesがツボ。
……で、新しいアルバムを手に入れて、早速お気に入りの"REALiti"を聴いてみたら……うおお思いっきりリミックスされてるやん。
シンセパッドが鳴りを潜めて、ドラムがよりシャープに、全体的に"軽く"仕上げられている。
いつものGrimesと違う……。なんかすげー大人っぽい、摩訶不思議な、Joanna Newsomみたいだな……ってなぜか思い、最初はちょっと毛嫌いしていた(Joanna Newsom好きなんだけど)。
けれど、アルバム全体を通して聴き続けているうちに、アルバムバージョンの方がいいなって思い始めたよ……。
ってかこのアルバムすげーいいじゃん、って思うようになった。
なんていうか、声のバリエーションがものすごく増えた。甘くてロリで舌足らずなボーカルが多かったんだけど、色っぽい低い声や、きっちりメロデイをなぞるような張りのある歌い方も増えてきた。
ソングライティングもめっちゃ成長してる。ポップでチープなメロディだけじゃなくて、空気感のあるアンビエントっぽい曲や、うまく言えないんだけどCat Powerみたいな曲もある(なんて形容すればいいの)。
"REALiti"の他には、M4の"Flesh without Blood"も好きだ。
Grimes - Flesh without Blood/Life in the Vivid Dream ...
何がテーマなんだよ、このMV……。
よく分からないけど、イカすよね。
Grimesは1月に来日するっぽいので、そのライブにも行ってきます。ライブはなんかアジアンなダンサーがいて、その方々が妖艶で不気味でオリエンタルかつオクシデンタルな謎の雰囲気を醸し出していて、トリップ感半端ない。
Pitchforkの評価は8.5と高い。で、なんだっけ、NMEだっけ、かなんかのアルバムランキング2015で一位……だったんだっけ。
忘れたけど、まぁ、Grimesの新譜、期待通りの良作でした。